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GWORKSだよりー手づくり家具の店ー”特注家具もお気軽にご相談ください”

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作業場から

今回、ご注文で作っていたローチェストは横幅が600ミリと大きめなので、
引き出しにはスライドレールを使いました。
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 ↑ ジーワークスでは通常、アメリカ・・K&V社のスライドレールを使っています。
左右1セットで¥3000する代物ですが、廉価な普及版と比べると、耐荷重、レールのスムーズさ、施工への配慮など品質は格段に違います。
家具金物としてスライドレールを使うのは、
1.引き出しが大きくて、中にいれるものの重さで出し入れに支障があるとかんがえられるとき。
2.引き出しは大きくなくても、中に入れるものが重いとわかっているとき。
3.ベッド下の収納など、出し入れしにくい位置に引き出しがあるとき。
4.食器棚など、引き出しを目一杯奥まで使いたいとき。
5.使う方が身体的に、ごく軽く引き出したい理由があるとき。
etc・・・のような理由が考えられます。

特に理由のない場合は、木製の吊り引き出しにしたり、
摺り桟や棚板を設けた普通の引き出しにします。
それで、時折スライドレールの指定があったりして、取り付け作業をするわけですが、
引き出し1杯あたり左右それぞれ受け側と差込側の、合計4本のレールを正確に、平行に取り付けるのに毎回苦労していました。
最後の微妙な調整にあまりに時間がかかってしまう(そしてその作業は辛気くさく、おもしろくない)ので、
簡単な治具を用意したところ、百発百中ピタッときまるようになりました。
家具製作を仕事にしている方々がどのように施工しているのかわかりませんが以下、
その簡単な方法を紹介します。

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下準備として、スライドレールには必要ありませんが前後に受け桟を設けておきます。


作業場から_a0064506_1937521.jpg

同梱されている取説を参照して、設定した高さにスライドレールが取り付くように、
任意の厚みの板を摺り桟に置き、その上にスライドレールを乗せます。
摺り桟が正確に取り付けられていれば、これでスライドレールも正確に取り付きます。


作業場から_a0064506_19394510.jpg

クランプで仮押さえしながら、すべてのレールを取り付けます。


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次は引き出しの方。
この治具を2本用意して、寸法に合わせた引き出しを上に載せます。
(側板2方を治具に載せます)


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引き出しの、底から何ミリ上げるかは任意で設定します。
その設定に合わせて治具を用意します。


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クランプで仮押さえして、ビス留め。杉の追柾などを側板に使った場合
、フリーハンドでビスを締めると必ず夏目に沿って逃げます。
面倒でも、クランプで押さえておく方が結局、楽です。
引き出しが正確に出来ていれば、これで男レールも平行に取り付きました。
あとは、実際に引き出しを合わせて、出来具合を確認するのみ。
面倒な調整はなしです。


こうしてまとめてみると、なんだこれだけ?のことですが、
墨線引いて、錐で下穴開けて取り付けていたときは、大変しんどかったので、
これだけのことですが、僕にとっては嬉しい成果でした。


保育園への納品は21日に決まり、
現在作業場では山桜の組み立て式デスク、トイレ用の収納棚の制作、
ダイニングテーブルの木取りなどの作業を進めています。



by g-workswood | 2009-03-19 23:42 | 木工/作業場から